アラフィフからのスイス暮らし

『NEVER TOO LATE』をいつも心の真ん中に置いて日々暮らしています。

橋本病で寒がりの夫と、暑がりの私が折り合いをつける方法

一般的に、男性は暑がりで、女性は寒がりというのが定説になっています。

男性と女性ではそれぞれの適温が異なるため、冷房の室温設定の落としどころを見つけるのは難しいと言われています。

夫と私もそれぞれの適温が異なるため、ケンカの原因になることがありました。

この記事では、夫が橋本病で極端に寒がりであるため、暑がりの私とどう折り合いを付けているのかをお話しします。

男女の適温に折り合いをつけるヒントになるかもしれません。

 

 

橋本病ってどんな病気?

Schilddrüse

今から10年ほど前に、夫から『橋本病』という言葉を初めて聞きました。

それまで、病名すら知らなかったためにどんな病気か全く想像できませんでした。

もしかして『橋本病』をすでに知っている方もいると思いますが、どんな病気なのをお話しします。

 

『橋本病』は、甲状腺に慢性的に炎症が起きてしまう病気です。

甲状腺はのどぼとけのすぐ下にある臓器で、甲状腺ホルモンを作っています。

甲状腺が慢性的に炎症すると、甲状腺ホルモンを作る働きが低下してしまいます。

橋本病に罹る男女比は1:20で、女性の割合が断然多く、30~40代で起こりやすいという特徴があります。

男性で橋本病に罹る夫は、かなりレアケースだと言えます。

 

橋本病の原因は、自己免疫の異常です。

本来自分の体を守るための免疫が、自分自身の甲状腺を攻撃してしまい、甲状腺機能低下症になってしまうのです。

 

1912年に、橋本策博士が世界で初めてドイツの医学誌に発表されたため、『橋本病』と病名がつけられました。

スイスでも『Hashimoto-Thyreoiditis』と呼ばれています。

 

 

橋本病ってどんな症状なのか?

 橋本病の主な症状としては、

  • 食べないのに太る
  • むくみ
  • 皮膚の乾燥
  • 無気力
  • 便秘
  • 寒がりになる

等が挙げられます。

夫の場合、最も顕著に表れているのは、極端な寒がりであることです。

寒がりになるのは、新陳代謝が低下し全身の熱の産生が減ってしまい、寒さに弱くなってしまうからです。

また、夫いわく、以前はやる気が起きないことがしばしばあったようですが、今は薬を服用することによって改善されています。

ホルモンを補充する薬を服用することにより、日常生活に大きな支障はありませんが、一生薬を飲まなければなりません。

 

極端に寒がりの夫が怒った原因

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 今でこそ橋本病を理解している私ですが、夫と一緒に住むまではどんな症状があるのかをよくわかっていませんでした。

夫がいつも『寒い、寒い』と言っているのは、単なる寒がりだとしかとらえていませんでした。

ひどい話、男のくせに寒がりだなんて!と思っていた私です。

 

普段ベッドで一緒に寝ているのですが、いつも私の方が先にベッドに入って寝ます。

すると、夫があとから、『寒い、寒い』と言ってベッドに入ってくるので、せっかく眠りについたのに目覚めてしまいます。

そして、私の体に引っ付いてきます。

私の平均体温は36.5℃で高めなので、夫に引っ付いてこられると暑くて仕方がありません。

でも、不思議なことに寒いと言っている夫の身体は温かいのです。

 

スイスでは、ほぼすべての家庭がセントラルヒーティングなので、家中が暖かいです。

ただ、私たちの部屋は日当たりがとても良いので、日中は暖房をオフにしています。

夜はさすがに気温が下がるので、また暖房をオンにして就寝します。

ある夜、日中あまりにも温かく室温も下がっていなかったので、暖房をオンにしませんでした。

すると夜中に、夫が寒い、寒いと言いながら目覚めました。

そして、夫が暖房がオフになっているのに気が付き、夜中だというのに烈火のごとく怒り、ブランケットを持って居間のソファに行ってしまいました。

 

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寒がりの夫と折り合いをつける方法

さすがに夫に悪いことをした思い、この夜以来、暑がりの私が寒がりの夫と折り合いをつけるためにしたことが3点あります。

  1. 必ず就寝前には暖房の温度設定を”中”にしてオンにする
  2. 夫のブランケットを、今までよりも厚めで暖かいものに変える
  3. ベネックス(Venex)のネックウォーマーを夫に着けさせる

2つ目のブランケットは、以前私と同じものを使用していたのですが、羽毛の軽くて暖かいブランケットがあったので、それを夫に使ってもらうようにしました。

こんなに暖かいブランケットを掛けたら、私ならば根が生えそうですが、夫にとっては快適そうです。

 

3つ目のベネックスのネックウォーマーは、私がよく眠れるように日本から愛用していて、スイスに持ってきていたものです。

venex-neckwarmer

 

ベネックスは、ナノプラチナ等の鉱物を繊維に練りこんだ特殊素材(PHT)を使用した布を身に着けることによって、自律神経のバランスを整え自己回復力をサポートするリカバリーウェアのメーカーです。

 

冷えには、『3首(首、手首、足首)を温める』ことが大切だと言われています。

『首』周りの皮膚は薄くて、太い動脈が皮膚に近いところにあるため、気温の影響が受けやすく冷えを感じやすくなるからです。

『首』が冷えると、冷たい血液が全身へと流れ、さらには体全体が冷えてしまうのです。

一方、『首』を温めることで血行が良くなり、効率よく全身に温かい血液を巡らせることができるので、体全体が温まるわけです。

 

今では、ネックウォーマーなしでは寝られないほど夫は気に入っています。

ネックウォーマーを付けることにより、暖かさを実感しているようです。

実際のところ、夫がベネックスの本来の効果を信じているのかは不明ですが...

 

私たちの場合は一般的な男女の暑がり、寒がりが逆になっています。
例えば、冷房の場合、3首を温めることにより寒さを自衛するなど、お互いが感じる適温の落としどころで、なんらかの参考になれば幸いです。