アラフィフからのスイス暮らし

『NEVER TOO LATE』をいつも心の真ん中に置いて日々暮らしています。

墓地で散歩する!?

昨日はAnnaとのタンデムの日でした。

クリスマスをどう過ごしたかと話していたところから、いつの間にかに墓地の話題になりました。

 

私が日本にいた時は、月に1度は父のお墓参りをしていたと話しました。

30年以上前にすでに亡くなっているAnnaのお父さんのお墓参りをするかと尋ねたところ、今は墓地にお父さんの墓石はないと言っていました。

 

スイスでは、墓地に埋葬後25年経過すると(州にもよりますが)、管轄区の役所から墓石ごと撤去されます。

国土の狭いスイスはそうしていかないと、墓地を作るスペースがいっぱいになってしまうからです。

掘り起こされた墓地には、また新しい墓地が作られていきます。

 

という事情から、お父さんのお墓参りはもうできないけれど、時々墓地に散歩をしに行くと言うのです。

tomb

 

墓地を散歩する!?と私がびっくりすると、Annaは、

「お花がきれいに植えられていて、墓地は静かだから、とてもリラックスするのよ。だから、時々散歩にいって、ベンチで本を読んだりするの。」

と言うのです。

 

墓地というと日本の墓石と墓石の間が狭く、墓石が林立している風景を想像してしまったのですが、ヨーロッパの墓地は木々がたくさん植えられており、その墓石ごとにお花が植えられており、ゆったりした作りになっています。

 

家の近くに谷中霊園というかなり大きな霊園があり、徳川慶喜をはじめ、渋沢栄一、鳩山一郎や横山大観など、各界の著名人の墓があることでも知られています。

また、桜の名所としても知られており、霊園の中央路に植えられた桜並木があり、お花見に何度か行ったことがります。

しかし、あくまでもお花見で、谷中霊園を目的として散歩へ行ったことがありません。

確かに落ち着いた雰囲気ですが、リラックスするという気分にはなれません。

私は霊感はないのですが、やはりどことなく居心地の悪さを感じてしまいます。

墓地には、なんとなく霊が漂っているという気になってしまうからです。

この感覚は、宗教観の違いによるものだと思います。

 

Annaは毎年この時期にベルリンへ1週間ほど旅行に行くのですが、ベルリンに行くたびにお気に入りの墓地があって、来週から行く今回もそこを訪れるというのです。

Annaのお気に入りのベルリンの墓地は、なんとトリップアドバイザーにも観光スポットとして登録されていて、またまたびっくりでした。

 

www.tripadvisor.jp

 

確かに写真を見てみると、木々がたくさん生えており、落ち着いた雰囲気で散歩するにはいいところかもしれないと思いました。

Annaにとって墓地を散歩するのは、公園を散歩することと同じ感覚なのですね。

また一つ、カルチャーショックを受けたのでした。